高崎宿の一里塚について少々疑問な点があったので、延絵図解説 書が引用していた「高崎志」がもっと知りたくて、群馬県史料集に 収録されているものを入手しました。ここで紹介しましょう。
　著者は、高崎藩士 川野辺 寛（1746〜1793）
　事業着手は、1788年(天明八年)十二月
　川野辺の原本完成は、翌年寛政元年夏。その後なぜかお蔵入り。

　高崎志の序文には、前橋風土記が前橋藩において出版されているのに、高崎 にはその様なものが無いのが遺憾である…という意味の事が作成の動機として 書かれています。高崎志に書き遺されたのは、高崎藩領全域ではなく、高崎城 下の町・寺社の由来についてです。以下は原文のまま。

・九蔵町の記述より
　…一里塚裏町通町通リ西側人家ノ裏ニアリ、今ハスカレテ其カタ
　ハカリ残レルノミ、上ニ稲荷ノ小祠アリ、是昔ノ本道也…
・通町の記述より
　…慶長ノ頃中山道ノ往還ナル故ニ通町ト云、城下ノ本道也、…

　徳川家光の弟、駿河大納言忠長の墓がある大信寺前に、南北に延びる通りが ありますが、これが江戸時代初期の中山道のようです。この道　南に向かうと 和田町の辺りで、不自然に曲がってから中山道に出られます。北にも延びてい るので、江戸時代初期の烏川の渡し場は違う場所だったかもしれません。

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