1861年(文久元年)３月10日午後、幕末の和田宿を襲った大事件があります。 ｢文久の大火｣です。当時の記録によると、四時ごろ出火し、俄に南の烈風が吹 き、六時ごろには　宿内のおよそ七十軒程焼失。別の記録では、上町辺りから 八幡神社辺りまで類焼１０７軒、宿の２／３が焼失した…というものもありま す。（上絵図はその推定範囲。宿場の中心地、問屋場・本陣が含まれる。）
　大火に災難が続きます。和宮降嫁の行列の宿泊日が同年11月６日と決まって いたのです。当然和田宿は行列の宿泊不可能を幕府に訴え出ました。ところが 幕府は、日程堅持に拘り、代官所の役人を和田に詰めさせ、貸付金等を出して 和田宿復興を督励しました。和宮降嫁の行列は、日程通りに中山道を下向。何 とか工事を間に合わせた和田宿には、多額の借金が残ったといいます。

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